尊格”チメ・パマ”を伝える”チメ・パメー・ニンティク”の教えは、19世紀の最も偉大なチベット仏教の高僧であり、超宗派を推進した指導者の一人でもあったジャムヤン・ケンツェ・ワンポによって”御心の埋蔵教”として1855年に発見された修法で、チベット仏教の四大宗であるニンマ派・カギュ派・サキャ派・ゲルク派高僧たちによって宗派を超えて修行されている強力な加持の力を持つ長寿の修法です。 タンカは長寿の尊格”白ターラ仏母”と”ガル・ギィ・ワンチュク”の父母尊で描かれていて、”ガル・ギィ・ワンチュク”は白ターラ仏母と同じ長寿の尊格”ツェパメ(無量寿菩薩)”、または同じ蓮華部の報身”チェンレジー(観音菩薩)”と伝えられています。主尊の頭上、積雲の中にはこの埋蔵教の発掘者ジャムヤン・ケンツェ・ワンポ(ドンガ・リンパ)が描かれています。 ※本タンカは、ネパールにあるシェチェン寺のツェリン・アート・スクールにおいて制作された模写作品です。
制作年:2005年 サイズ:40×58cm <基底材> 綿布、チョーク、ジンクホワイト、膠液 <彩色画材> 有機顔料、インディゴ、金泥
伝統的な手法で制作されたキャンバスに、オランダ、”Old Holland社”製の顔料を膠液で溶いたものが使用されています。 虹と花に囲まれ、満月の光背を背に座すホワイト・ターラ。 合計7つある眼は、衆生を優しく見守り、薄く開いた瞑想状態の眼で、その形からチベット語でシュ・チェン(弓のような形をした眼)と言われます。
白さを強調するために極淡いマゼンダで暈された白ターラ仏母の尊顔と、額にある第三の眼・”智慧の眼”。
額の”智慧の眼”と両目に加えて、両手の平と両足の裏にそれぞれ一つずつある白ターラ仏母の七つの眼。
虹色の衣を表現したふくらはぎ部分の描写。暈しを施した下地と純金泥による装飾文様。