日本語:如来頂髻母(にょらいちょうけいも)
梵語:ウシュニシャヴィジャヤ
”ターラ仏母二十一尊”を讃えた礼賛経の第四番目に記されたターラ尊の変化身の一つで、生命力・生気を増強する長寿の尊格です。
また衆生を悪行や煩悩から隔て、望ましくない環境や、三悪趣(天界、修羅界、人間界、畜生界、餓鬼界、地獄界の輪廻の六道のうち、畜生界、餓鬼界、地獄界)に生まれ変わることから守るとも言われます。
制作年:2011年
寸法:21×30cm
<基底材>
綿布、白土、チョーク、膠液
<彩色画材>
黄土、藍銅鉱、辰砂、朱、ラック、純金泥
”ターラ仏母二十一尊”のうちの一尊を、全体を黄土で塗ったキャンバスに描いた小さいサイズのタンカです。
尊格の身体に淡い暈しをつけ陰影を表わす以外は、ほとんどの箇所を赤い線でのみ描き、部分的に墨、群青の青、そして純金泥を使用して彩色されています。
装身具や光背の外側の弧、そして供物の一部といった純金泥で彩色された部分が磨かれ輝いているため、背景が純金泥の色に近い黄土色でも平たい印象が感じられず、逆に極少ない色数で描かれたタンカの良さが出ています。